特商法の電話番号は載せないとダメ?省略ルールと自宅・携帯番号を出さない方法
特商法表記の電話番号は、「確実に連絡が取れる番号」の表示が原則です(消費者庁「通信販売広告Q&A」)。ただし自宅や個人携帯の番号を公開ページに載せたくない場合、対処は3つあります。
①省略ルール(請求があれば遅滞なく提供する措置で表示を省く)、②販路の非公開機能(BASE・STORES・minneなど)、③専用の電話番号を用意する(バーチャルオフィスのオプション等)です。
まず費用のかからない①②で足りるかを確認し、番号そのものが事業に必要なら③、という順で考えるのがおすすめです。
結論: 3つの方法の比較
| 方法 | 費用 | 向いている人 | 限界 |
|---|---|---|---|
| ① 省略ルール | 無料 | 独自EC含む全事業者。着信対応を最小にしたい人 | 請求されたら番号を提供する必要がある。「遅滞なく」対応できる体制が条件 |
| ② プラットフォームの非公開機能 | 無料 | BASE・STORES・minne等の個人ショップ | 対象販路・個人限定。販路の外(独自EC等)では使えない |
| ③ 専用番号(VOオプション等) | 月額¥990〜 | 電話での問い合わせを受けたい人・信用も欲しい人 | 費用がかかる。転送か代行かで使い勝手が変わる |
法的な整理: 「確実に連絡が取れる番号」とは
消費者庁の通信販売広告Q&Aは、特商法表記の電話番号について「確実に連絡が取れる番号」を表示する必要があるとしています(2026年7月11日確認)。趣旨は「消費者が事業者と確実に連絡を取れること」で、住所の「現に活動している住所」と同じ考え方です。形式(固定・携帯・050)よりも、かけたらつながる・折り返せる実態が本質です。
省略ルールの実務
同Q&Aは、「消費者からの請求によって、広告表示事項を記載した書面又は電子メール等を『遅滞なく』提供することを広告に表示し、かつ、実際に請求があった場合に『遅滞なく』提供できるような措置」を取っている場合、電話番号(住所も同様)の表示を省略できるとしています。「遅滞なく」は、購入するかどうかの意思決定に先立って、十分な時間的余裕をもって提供されることと説明されています。
実務に落とすと次の形です。
- 特商法表記のページに「電話番号は、ご請求があれば遅滞なく開示します。お問い合わせフォーム(またはメール)よりご請求ください」と明記する
- 問い合わせフォーム・メールを毎日確認し、請求が来たらすぐ回答できる体制にする
- 請求されたときに知らせる番号(つながる番号)は用意しておく
注意点は2つ。請求されたら番号を教えることになること(表示の省略であって、番号を秘匿できる制度ではありません)。そして販路によっては省略が使えないことです(次章)。
プラットフォーム別の扱い
モール・ASP型の販路では、電話番号の扱いはサービスごとに決まっています。当サイトの各記事で一次確認済みの範囲では次のとおりです(2026年7月11日時点)。
- BASE・STORES・minne — 個人(STORESは個人事業主含む・minneは販売業者該当の個人)なら電話番号を住所とセットで非公開にでき、運営会社の連絡先が代替表示されます(BASE編・STORES編・minne/Creema編)。
- メルカリShops — 電話番号を含む運営者情報は画面に常時表示されず、請求ベースで開示されます(メルカリShops編)。
- Amazon — 「現に使用されている出品者自身の電話番号」の表示が必要で、非公開機能はありません(Amazon編)。
- Shopify・独自EC — 表記は自作のため、省略ルールか専用番号を自分で選びます(Shopify編)。
電話転送・電話代行の対応や住所プランの月額から、専用番号つきの拠点を絞り込めます。
専用番号という選択肢
電話での問い合わせを受けたい・省略ではなく番号を載せて信頼感を出したい場合は、事業用の専用番号を用意します。バーチャルオフィスのオプションが代表的で、当サイトの掲載データ(全860拠点)では専用電話番号の提供に対応する拠点が257件(月額の最安¥990〜・中央値¥9,900)あります。
- 電話転送(256拠点が対応) — 専用番号への着信を自分の携帯へ転送。応対は自分でするが、公開する番号を事業用にできます。
- 電話代行(264拠点が対応) — オペレーターが屋号・会社名で一次応対し、内容を報告。日中電話に出られない人・作業を中断したくない人向けです。
まず共用番号(留守電・折返し)で足りるか、専用番号(直接着信)が要るかで分かれ、専用で登記までまとめたいかでもう一段変わります。段階の違う3社を挙げます(表示月額は対象プランの料金・電話は別料金の場合あり)。
番号を表示できれば足りる小規模ECで、住所と電話番号を安くまとめたい人向け
NAWABARIはネットショップ運営プランに留守番電話の共用番号が含まれ、住所と表示用の電話番号をまとめて安く用意できます。留守電は文字起こしで届き、特商法表記に番号を載せたい小規模ECに向きます。屋号を10個まで追加料金なしで使えます。
- 住所+共用の電話番号込みで最安クラス(留守電→文字起こし)
- 週1転送・写真通知が無料・屋号10まで無料
- 共用番号のため直接着信して受けたい場合は専用番号の追加が必要
- 法人登記はビジネスプラン(月額が上がる)
- 初期費用
- ¥5,500
専用の直接着信番号や、電話に出られないときの秘書代行まで欲しい人向け
レゾナンスは月990円〜の一等地住所に、専用の転送電話(着信のみ)や電話秘書代行を足せます。転送電話は自分の携帯へつなぎ、秘書代行はオペレーターが会社名で一次応対して報告します。写真通知は全プラン無料で、法人登記にも対応します。
- 専用の転送電話・電話秘書代行まで拡張できる
- 写真通知が全プラン無料・一等地で法人登記にも対応
- 転送電話は月2,200円〜、秘書代行は月4,400円〜の追加費用
- 最安の月990円コースは来店受取ができず1年払いが前提
- 初期費用
- ¥5,500
転送電話・秘書代行は住所プランに加算した合計で比べてください。
専用の直接着信番号と法人登記の両方を、1社でまとめたい人向け
ユナイテッドオフィスのテレボックスプランは、専用の03/050番号を直接受信でき、住所・法人登記と1社で完結します。宅建免許・自社物件保有で士業の利用も多く、会社設立登記の代行もあります。専用番号を載せて確実に受けつつ、登記まで一箇所で済ませたい人に向きます。
- 専用の03/050番号を直接受信・住所と法人登記が1社で完結
- 宅建/自社物件・設立代行など事業基盤が固い(士業利用多)
- 電話系プランは保証金10,000円・初期費用がかかる
- 住所表記だけの用途には割高(番号+登記が要る人向け)
- 対象プラン
- テレボックスM(専用電話・03/050受信)プラン
- 月額
- ¥3,190〜
- 法人登記
- 可
- 初期費用
- ¥5,500
電話系は保証金がかかります。番号と登記の両方が要るかで判断してください。
※月額・登記・初期費用は各拠点ページのデータから自動表示(電話番号はオプション料金が別途かかる場合があります)。専用電話番号に対応する全257拠点はこちらの一覧で比較できます。
よくある質問
個人の携帯番号を特商法表記に書いても問題ありませんか?
050から始まる番号でもいいですか?
電話を一切受けたくないのですが、メール対応だけにできますか?
「電話転送」と「電話代行」はどう違いますか?
この記事について
バーチャルオフィスの羅針盤 編集部が、一次情報(法令・行政資料・各サービスの公式ヘルプ)を実際に確認して執筆しています。事実の記載には出典と確認日を付し、内容の変更を確認した際は記事を更新します。詳しくは編集ポリシーをご覧ください。
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