住所貸しサービスとは?合法的に使える範囲と、やってはいけない使い方
自宅住所を公開せずに副業や事業を始めるため、「住所だけ借りたい」と考えていませんか。特商法表記、郵便受取、法人登記では必要な機能が違います。
住所貸しサービスは、事業者が管理する住所を、契約範囲で事業用に使う仕組みです。住民票など、実際に住む住所が必要な手続きには使えません。
この記事では、私書箱との違い、合法に使える範囲、料金相場と選び方を、用途別に説明します。
結論:住所貸しは事業用に使え、生活住所には使えない
住所貸しサービスで借りるのは、住む場所ではなく事業の連絡先として使う住所です。 契約先が認める範囲で特商法表記・法人登記・郵便受取などに使えますが、住民票や居住実態が必要な手続きには使えません。
| 使いたい用途 | 可否 | 確認する条件 |
|---|---|---|
| 名刺・Webサイト・請求書 | ○ | 事業用住所としての利用が契約に含まれるか |
| ネットショップの特商法表記 | △ | 住所・電話が連絡先として機能し、運営事業者との合意があるか |
| 郵便物の受取・転送 | △ | 受取可能な種類、通知、転送頻度、別料金 |
| 法人登記 | △ | 登記対応プランか、建物・業種の制限がないか |
| 住民票・居住地の届出 | 不可 | 実際に生活する場所ではない |
| 実体が必要な許認可の営業所 | 原則不可 | 許認可ごとに所管窓口へ確認 |
特商法表記では、消費者庁の通信販売広告Q&Aが、バーチャルオフィスの住所・電話を使える条件を示しています(2026年7月15日確認)。詳しい表示ルールは特商法表記の住所ガイドで確認できます。
住所貸し・私書箱・レンタルオフィスは目的が違う
「住所貸し」と「バーチャルオフィス」は、事業用住所を借りる文脈ではほぼ同じ意味で使われます。 私書箱は郵便を受け取る場所、レンタルオフィスは実際に仕事をする場所であり、事業者住所として使える範囲が異なります。
| サービス | 主な目的 | 法人登記 | 作業場所 |
|---|---|---|---|
| 住所貸し/バーチャルオフィス | 事業住所・郵便・電話 | プランによる | 原則なし |
| 郵便私書箱 | 郵便物の受取 | 不可 | なし |
| レンタルオフィス | 専用席・個室で仕事 | 施設による | あり |
| コワーキングスペース | 共有席で仕事 | 施設による | あり |
日本郵便の郵便私書箱には、おおむね毎日郵便を受け取り、6か月以上使うなどの利用条件があります。また、消費者庁Q&Aは、私書箱だけでは特商法上の「住所」を表示したことにならないと説明しています。郵便を受け取るだけなら私書箱、公開する事業住所が必要なら住所貸し、と目的から選びます。
登記・特商法・郵便転送など、用途別に候補を絞れます。
本人確認・郵便・登記・契約期間の順に確認する
住所貸しサービスは月額だけで選ばず、まず本人確認と用途適合を確認します。 次に郵便の扱い、法人登記、契約期間と初期費用を比べると、安いプランを選んだ後の追加契約を避けやすくなります。
犯罪収益移転防止法は、一定の住所貸し・電話転送事業者を「特定事業者」とし、契約時の取引時確認を求めています。本人確認がないことは注意信号ですが、本人確認だけで郵便管理や料金体系まで優良だと決まるわけではありません(2026年7月15日確認)。「住所貸しは怪しい・違法では」という不安の実態はバーチャルオフィスは怪しい?実態検証で拠点データから整理しています。
- 本人確認と審査があり、運営会社と住所が明示されている
- 名刺・特商法・登記など、自分の用途が契約に含まれる
- 郵便の通知方法、転送頻度、受取不可の荷物が分かる
- 月額だけでなく初期費用、前払い期間、郵送料まで比較できる
- 解約後の登記変更や郵便物の扱いが契約条件に書かれている
当サイトには、全国47都道府県・860拠点を収録しています。住所利用プランは¥270〜、中央値は¥5,500です。月額¥1,000以下は89件、法人登記対応は821件、郵便転送対応は440件あります。すべて掲載拠点の情報から表示時に集計しています。
必要な機能と契約条件から住所貸しサービスを選ぶ
住所貸しサービスは、住所の用途、郵便、法人登記、電話番号を分けて選びます。 同じサービスでもプランごとに対応範囲が異なるため、ブランド名や月額だけでは決められません。 候補を絞った後に、契約期間、初期費用、郵送料、保証金を含む総額を確認します。
| 確認項目 | 決めること | 見落としやすい条件 |
|---|---|---|
| 住所 | Webサイト・特商法・返品先・法人登記のどれに使うか | 同じブランドでも利用できる用途はプランごとに異なる |
| 郵便 | 受取不要・定期転送・即時転送・写真通知のどれが必要か | 転送頻度だけでなく、受取不可の郵便物と送料も確認する |
| 法人登記 | 今すぐ必要か、将来追加するか、不要か | 住所利用ができても法人登記できないプランがある |
| 電話 | 共用番号・受信専用・受発信・電話代行のどれが必要か | 基本付帯、オプション、別契約では総額が変わる |
| 契約条件 | 月払い・年払い、初期費用、保証金を比較する | 表示月額が年一括払いの月割額の場合がある |
条件別に候補を絞る
住所だけ使う場合と、登記・郵便・電話まで必要な場合では候補が変わります。 一つの条件から一社に決めず、同じ用途に対応するプランを並べて比較します。
| 必要な条件 | 比較するプラン |
|---|---|
| 住所表示・返品先が中心 | METS「ネットショップ」/GMO「転送なし」 |
| 複数ショップ・郵便確認 | NAWABARI「ネットショップ運営」 |
| 登記と定期転送 | バーチャルオフィス1「基本」/GMO「月1転送」/METS「ビジネスプラス」/レゾナンス「月1転送」 |
| 電話の受信・転送 | レゾナンス「転送電話2点セット」/ユナイテッド「テレボックスM」 |
| 専用番号で受発信 | ユナイテッド「テレボックスⅠ」/ワンストップ「ビジネス」/Karigo「ブルー」 |
| 電話代行 | レゾナンス「電話秘書代行セット」/ワンストップ「プレミアム」/Karigo「オレンジ」 |
電話番号が必要な場合も一社に決まりません。番号の種類、発着信、電話代行、保証金、通話料を含む総額で比較してください。
住所表示・返品先の費用を抑えたい人向け
METSには住所表示、ネットショップ、郵便受取、法人登記に対応する複数のプランがあります。ここでは、ネットショップの住所表示と返品先に使う場合のプランを紹介します。
- 住所表示・発送元・返品先に用途を絞って選べる
- 郵便受取や法人登記が必要になれば別プランも比較できる
- 郵便は即時転送のみで、受取や保管をまとめる用途には向かない
- 法人登記と電話番号はこのプランに含まれない
- 対象プラン
- ネットショップ
- 月額
- ¥550〜
- 法人登記
- 不可
- 初期費用
- ¥3,850
年契約の条件と郵便の転送方法を確認してください。
複数ショップの住所と郵便通知をまとめたい人向け
NAWABARIはネットショップ運営向けのプランを用意し、複数の屋号を使う人や郵便物の外観を確認したい人に向きます。法人登記が必要な場合はビジネスプランへ切り替えます。
- 追加屋号を複数登録でき、ECの販路をまとめやすい
- 郵便の写真通知や管理機能で自宅住所を知られたくない不安に対応できる
- ネットショップ運営プランは法人登記に対応しない
- 普通郵便など受け取れない郵便物があり、転送料も実費になる
- 対象プラン
- ネットショップ運営プラン
- 月額
- ¥1,100〜
- 法人登記
- 不可
- 初期費用
- ¥5,500
法人登記と月4回の郵便転送をまとめたい一人会社向け
住所、法人登記、月4回の郵便転送、到着通知を基本プランでまとめたい人向けです。電話番号が必要になった場合は、連携事業者との別契約を追加する前提で比較します。
- 基本プランに法人登記・月4回転送・LINE通知を含む
- 来客応対と法人口座開設保証も基本サービスに含む
- 表示月額は年一括の月割で、単月払いは条件が異なる
- 電話番号は提携事業者との別契約で、基本プランには含まれない
- 対象プラン
- 基本プラン
- 月額
- ¥880〜
- 法人登記
- 可
- 初期費用
- ¥5,500
大手運営の安心感と郵便転送を重視したい人向け
GMOオフィスサポートは、月1回から週1回まで郵便転送の頻度を選べます。GMOグループの知名度や起業支援も重視しつつ、電話番号は別途用意する人に向きます。
- 郵便転送を月1回・隔週・週1回から選べる
- 入会金・保証金がなく、口座や会計などの起業支援も確認できる
- 契約は12か月一括前払いが基本で、月払いは選べない
- 電話番号を自社提供していないため、電話は別サービスが必要
- 対象プラン
- 月1転送プラン
- 月額
- ¥1,650〜
- 法人登記
- 可
- 初期費用
- ¥0
登記・写真通知に加え、電話サービスも比較したい人向け
レゾナンスは住所・登記・郵便のコースに加え、転送電話や電話秘書代行のセットも用意しています。カードの月額は月1転送の住所プランです。電話が必要なら電話付きコースの料金を確認します。
- 法人登記に対応し、郵便物の写真通知を基本サービスに含む
- 転送電話・電話秘書代行など必要な電話機能からコースを選べる
- 月1転送の表示月額は1年払いの条件で、来店受取はできない
- 電話付きコースは住所プランと料金が異なり、通話料やデポジットも確認が必要
- 対象プラン
- バーチャルオフィスコース 郵便物月1回転送プラン
- 月額
- ¥990〜
- 法人登記
- 可
- 初期費用
- ¥5,500
電話の種類と郵便転送頻度を分けて確認してください。
住所・登記・専用電話を一社で契約したい人向け
ユナイテッドオフィスは、法人登記と郵便転送に加えて、専用03または050番号の受発信まで同じ事業者で契約できます。電話が必要な人の中でも、契約先を分けたくない場合の候補です。
- 法人登記・郵便転送・専用電話番号を一社で用意できる
- 都内の複数拠点にある会議室を一契約で利用できる
- 電話付きプランは保証金と通話料が必要になる
- 前納期間・郵便手数料・デポジットを含めて総額を確認する必要がある
- 対象プラン
- テレボックスⅠ My Business(専用電話・受発信)プラン
- 月額
- ¥4,400〜
- 法人登記
- 可
- 初期費用
- ¥5,500
受発信の範囲、保証金、通話料を申込前に確認してください。
住民票・許認可・個人間の住所貸しには使わない
住所貸しは、居住実態や専用の営業場所が必要な手続きの代わりにはなりません。 また、知人宅を事業住所として借りる方法は一律違法とはいえませんが、郵便・契約・訪問対応の責任が曖昧になるため、継続利用には向きません。
- 契約で認められた名刺・Webサイト・請求書の住所
- 条件を満たす特商法表記や法人登記
- プランに含まれる郵便物の受取・転送
- 実際に住んでいない住所への住民票の届出
- 古物商など実体のある営業所が必要な許認可
- 運営者の許可なくネットカフェ等の住所を使うこと
住民基本台帳法は住民の居住関係を公証する制度です。実際に生活していない住所貸しサービスの住所を、住民票のために使うことはできません。住所の判断に事情がある場合は市区町村の窓口へ確認してください。
個人間で住所を借りる場合は、郵便物の紛失、訪問・苦情、賃貸借契約上の禁止、法人登記の可否、解約後の変更責任が貸主側にも及びます。事業で継続利用するなら、本人確認、郵便管理、利用範囲、解約時の扱いが契約に書かれたサービスを選ぶ方が整理しやすくなります。個人事業主の住所全体の選び方は個人事業主の住所の使い分け、古物商については古物商の営業所要件、開業届については開業届の住所ガイドで分けて解説しています。
よくある質問
住所だけ借りることは違法ですか?
借りた住所に住民票を置けますか?
私書箱を事業者住所として表示できますか?
知人や家族の住所を借りてもよいですか?
本人確認のない住所貸しサービスは使えますか?
この記事について
バーチャルオフィスの羅針盤 編集部が、一次情報(法令・行政資料・各サービスの公式ヘルプ)を実際に確認して執筆しています。事実の記載には出典と確認日を付し、内容の変更を確認した際は記事を更新します。詳しくは編集ポリシーをご覧ください。
特商法・返品先・郵便転送まで必要な人向けの比較記事です。
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